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オブジェの方へ―変貌する「本」の世界―

西村陽平「CQ ham radio」1997年

たとえば中世の写本や祈祷書。あるいは19世紀末、アーツ・アンド・クラフツ運動の中から生まれた、いわゆるブック・ビューティフルの数々。さらにピカソやマティスなど、近代の巨匠の手になるリーブル・ダルティスト。古今東西、美しい挿絵や凝った装丁の本、豪華な造りの様々な本が作られてきました。現代においてもアーティストたちの多くが美しい本を作り、あるいは本をテーマにして作品を制作しています。しかしそのような本のあるものは、しばしば私たちの常識を超えた「本」の作品となっています。

一例を挙げれば、知識や物語の容れ物としての本が、文字通り「箱」や「トランク」になってしまったもの。突飛とも言える様々な加工が加えられた「本」。異質の素材によって、異質の相貌を示す「本」。焼かれた「本」等々。アーティストたちは、なぜ「本」に惹きつけられるのでしょうか。そしてまた、なぜ「本」の通年を逸脱してゆくのでしょうか。そこに現代のメディアの多様化と可能性を見ることができるかもしれません。同時に現代のアートが、技法や素材をはじめ様々に脱領域化してゆく傾向を指摘することもできるでしょう。しかしそれでもなお、本がその形態や概念を拡張し、時には機能を剥ぎ取られた1個の「オブジェ」に変容するのはなぜでしょうか。そこにはメディアの多様化やアートの脱領域化傾向だけにとどまらない、目には見えない、しかしそれだけに一層根源的な何かがあるのかもしれません。

本展では、アーティストたちを、そして私たちをも惹きつけて止まない「本」の魅力とその広がりの一端を、現在1000点を超えている当館のコレクションをもとに、未来派から現代の若手作家の「本」を通して紹介します。
開催期間 2009年11月14日(土)〜2010年01月24日(日)
休館日 月曜日(ただし11月23日、2010年1月11日の月曜日は開館)、11月24日、12月27日〜2010年1月4日、1月12日
時間 10:00〜17:00
ただし土曜日・日曜日のみ20:00まで。
入場は閉館の30分前まで。
入場料 一般:500(400)円
大高生:300(240)円
中小生:150円(120)円
※( )内は20名以上の団体料金
会場 うらわ美術館 
埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1 浦和センチュリーシティ3F
会場ホームページ http://www.uam.urawa.saitama.jp/
問い合わせ電話番号 048-827-3215
関連ホームページ http://www.uam.urawa.saitama.jp/

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